本記事の内容
働きながら公認会計士試験に挑戦する『難易度』と『合格率』を、過去15年分のデータとともに解説
こんな方向け
- 会社員だが「公認会計士」に興味がある
- 働きながら公認会計士試験に挑戦しようか迷っている
- 実際に、『働きながら合格している方』がどれくらいいるのか気になる
結果、一念発起して退社。勉強に専念して合格。現在独立してます。
この記事の結論
- 会社員の合格数者は毎年77人程度
- だからといって「会社員が、働きながら合格できる可能性が低い」わけではない
目次
では、解説していきます。
1.社会人の合格者数と合格率(過去15年分)
下記のグラフと表は、2006年から直近試験2020年までの、過去15年分の公認会計士試験に合格した「会社員」の「合格者数」と「合格率」です。
合格者(人) | 合格率(%) | 合格者全体 | |
2006年 | 53 | 1.7% | 3,108 |
2007年 | 82 | 2.0% | 4,041 |
2008年 | 97 | 2.7% | 3,625 |
2009年 | 84 | 3.8% | 2,229 |
2010年 | 77 | 3.8% | 2,041 |
2011年 | 55 | 3.6% | 1,511 |
2012年 | 52 | 3.9% | 1,347 |
2013年 | 54 | 4.6% | 1,178 |
2014年 | 63 | 5.7% | 1,102 |
2015年 | 94 | 8.9% | 1,051 |
2016年 | 70 | 6.3% | 1,108 |
2017年 | 106 | 8.6% | 1,231 |
2018年 | 86 | 6.6% | 1,305 |
2019年 | 83 | 6.2% | 1,337 |
2020年 | 95 | 7.1% | 1,335 |
15年間の平均 | 76.7 | 4.2% | 1,837 |
青=最低値、赤=最高値
15年間の平均でみると・・・・
・「会社員の合格者」=76.7人
(=毎年受かる「会社員」の数)
・「会社員の合格率」=4.2%
(=毎年の合格者全体のうち、「会社員」が占める割合)
ただし、「会社員の受験者数」が、公表されてないので、正しい「合格率」は不明なんです。
正しい「会社員の合格率」は出せない
・・・上の表を見ると、「合格率」はすべて1桁なので、会社員が合格する確率が極端に低いように感じますが、会社員が合格する確率が低いのではなくて、合格者の中で「会社員」が占める割合がとても低い、と理解してください。
むしろ、今まで公表されていた「合格者の学歴」が2019年試験から非公表になったので、今後情報がさらに非公表に向かって進む可能性すらありますね。
2.会社員が合格を目指す難しさ
結論
会社員は、圧倒的な「勉強時間」の不足により、どうしても不利になる
公認会計士試験の2次試験(論文式試験)は、相対評価で合否が決まります。一言でいえば、自分が周りに比べて「何位」にいるのかが重要です。
だいたい上位30~45%程度が、毎年合格します。
・・・つまり、自分との戦いでもあり、周りとの戦いでもあります。その中で、どうしても会社員は「勉強時間の確保」の点で、圧倒的に不利な状況にあることは確かです。
3.働きながら合格を目指すメリット・デメリット(公認会計士である筆者が思うこと)
メリット
- 働いていることで得られる収入の安定は、精神的な安定にもつながる
- 財務部・経理部で働いている場合、学習内容が仕事でも活かせる
デメリット
- 勉強時間が確保できず、「勉強専念組み」と比較して圧倒的に不利な状況
- 休みの日は、ほとんどすべて勉強の時間に充てる必要があるため、「勉強が辛い」と感じてしまうと、生活サイクルが崩壊するリスクあり
4.働きながら合格を目指す会社員におすすめする予備校
結論
「会社員で、働きながら合格を目指す場合、この予備校なら絶対に受かる!!」・・・という予備校はない。
(理由)「正しい合格率を算定できないため、何を基準におすすめするのか」という点で困難。
例えば・・・
例えば、さきほどの表の2020年試験。合格した95人の会社員の方々が、「どの予備校に通っていたか」という観点でみた場合ですが、「会社員の受験者数」のデータがない限り、「どこに通っていたか」は、意味のないデータです。
例えば、Aという予備校で「会社員の95人のうち、90人が受かっていた」とします。90人も受かっているので、一見、「Aが絶対におすすめ!!」のように見えますが、Aに通っていた会社員の受験者が900人いたとします。すると、合格率は、10%(=90 / 900人)です。
仮に、Bという予備校では、「会社員の95人のうち、5人が受かっていた」とします。Bに通っていた会社員の受験者が5人だったとします。すると、合格率は、100%(=5 / 5人)です。
・Aの合格率:10%
・Bの合格率:100%
こういうデータが揃っているなら、私なら「B」をおすすめします。
・・・よって、「会社員で、働きながら合格を目指すなら、絶対にこの予備校に通うべき!!」・・・とおすすめできる予備校はありません。
ただし、有名な予備校は、下記の4校です。「この予備校に通えば100%合格できる!!」という予備校は、残念ながらないですが、同時に、独学で合格することはほぼ不可能と言われてます。
公認会計士試験講座で有名な予備校
5.「働きながら2年で受かる!公認会計士最短合格の勉強法」について
一読する価値ある書籍
上記の書籍は、公認会計士試験の「勉強方法」として、「時間がない会社員がきながら合格するための方法」について書かれた、有名な書籍です。
ちょっと重要
この本は、「働きながら合格を目指す方のため」というより、「働きながら目指す方」に限らず、合格するために重要な要素・要因について説明している、というのが、私が読んだ感想です。
ちょっと注意
(私からの注意として)この本を読んで、「働きながらでも2年で合格できるんだ!」と安易に思ってほしくないです。絶対に。
なぜなら、公認会計士試験はそんな甘い試験ではないからです。
ただ、私が公認会計士試験に合格するために重要だと思う点は下記ですが、この本にも納得する要素が"多々"ありました。
私が思う「合格するために重要なこと」
- 計算科目は反復することで、体に慣れさせる
- 「翌日の復習」が何より大事
- 苦手科目を絶対に作らない
本で紹介してる「合格するために重要なこと」(一部)
- 「基礎力を重視する」
- 「まずは計算の勉強から」
- 「不得意科目を作らない」
上記の書籍は、クレアールにて「無料」で貰える書籍です。
「貰い方」の説明
下記のクレアールの公式ページから、名前や住所を入力するだけ。無料かつ所要時間5分程度。
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1(1)まず以下からクレアールのホームページへ
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2(2)ページ右上の「資料請求はこちら」をクリック
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3あとは、名前や住所など必要な情報を入力していくだけ
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無料でもらったからといって、その後に、営業めいたものが一切ない点も非常に好印象です。(※筆者が請求してから、まだ3ヶ月程度なので、この先営業めいたものがあるかは定かではないですが、通常営業ってすぐにくるものなので。)
・・・そんな方向けには、書籍のレビューを下記に記載していますので、参考にしたい方はどうぞ。
レビューはこちらをCHECK
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5.まとめ
まとめ
- 「会社員」で合格しているのは毎年77人程度。全体の5%程度と、非常に少ない。
- ただし、合格している会社員は、正しい勉強方法を知っていて、それを実践している方
- 「この予備校に通えば絶対に合格できる」という予備校は、残念ながらない
- ただし、クレアールの書籍は「合格するための勉強方法」を知る上で、読む価値あり
私の結論
働きながら合格を目指した時期もある私は、予備校に通わずテキストを寄せ集めて、独学に近い形で合格を目指したこともありました。それが到底無理なことだとわかるまでに、多くの時間は必要ではなかったのですが、独学での合格は絶対におすすめしないです。
合格後に、監査法人の同期とは「予備校どこだった?」という会話に必ずと言っていいほどなりましたが、「独学で合格した」という方は約200人の中で一人もいませんでした。
・・・では、「働きながら合格を目指すこと」についてですが、これは「合格者の中に、多くはなかったけどいた」ので、おすすめしないわけではないです。が、積極的におすすめすることもできない、というのが、私の結論です。
私は、「必ず○○年以内に合格する」という期限(=目標)を定め、資金を蓄え、合格後は必ず独立する、というところまで計画してはじめて、退路を断ちました。
・・・絶対に安易に退路を断つのではなく、せっかく入社した会社のメリットを活かすつつ、「計画」を大事にして下さい。
紹介した無料の書籍はこちらから
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